延長戦なし9回打ち切りのルールを振り返る

9回打ち切りはどうだったのか

日本のプロ野球において例年と今シーズンの最大の違いは延長なし9回打ち切りのルールでしょう。開幕直前の3月中旬に発表したのはどうかと思いましたし、監督コーチや選手は戦略が大きく変わるので順応に苦労したかもしれませんが、なんとか無事シーズンは終えることができました。忘れることのできないCSでの引き分けサヨナラとかは普段ならありえないですし、益田は引き分け試合の最後に登板した投手に記録される「引分」のNPB記録を更新して軽くニュースになっていましたね最終的なシーズン引分数は18

3月のその発表を受けた段階で書いた、延長戦なしのルールによるマリーンズの戦い方の展望は以下の記事の通り。

今年は延長戦なし、マリーンズには恩恵は? 今年は延長戦なし、マリーンズには恩恵は?

久しぶりに読み返してみましたが予想とは違う部分がたくさんありましたね。そこで今回は3月の段階での私の考えをもとに、延長戦なし9回打ち切りのシーズンを振り返ってみたいと思います。なるべき先に上記の記事を読んでもらえると助かります。

負けない試合を増やすことが優勝の行く末を左右した

まず投手起用について。
3月の段階では試合が9回までなので先発が6回まで投げればリリーフは1人1回なら3人で済むため、リリーフ陣の層が薄いチームにこのルールの恩恵があるのではないかと予想していました。しかしこれは全くの的外れでしたね。パリーグではリリーフ陣に苦しんだイーグルスやホークスが前評判とは裏腹に優勝争いから脱落し、しっかりと勝ちパターンを運用できたバファローズとマリーンズでの優勝争いとなりました。もちろんリリーフ投手だけが要因ではないと思いますが、その中の大きな要素であったと考えています。

今年は「負けない試合」が非常に重要で、セリーグは「勝利数」ではタイガースが上回っていますが、「勝率」で決まる優勝をしたのはスワローズです。勝ち試合をきちんと勝つ、同点の試合を負け試合にしない、この2点がリーグ優勝に大きな影響を与えたファクターで、延長戦のことを考えずどんどん良いリリーフ投手を投入できるチームに恩恵があったと考えます。

一方で勝ちパターン、特に抑え投手の負担は激増で、益田は厳しい場面ばかりで67試合も登板もしてしまいました。シーズン最後まで完走した益田のタフさは異常ですが、ホークスの森、イーグルスの松井、ライオンズの増田や平良など不調や故障で離脱する抑え投手も多かったです(延長戦なしとどれほど関係があるかはわかりませんが)。その点平野がほぼ離脱なく1年間起用できたバファローズはさすがでしたね。もし来シーズンもこのルールが継続するのであれば、さすがに益田は1年間持たないと思います。

ベンチに入りながら登板間隔が空く選手が多かった印象で、ビハインドやロングリリーフ投手の必要性はやや減少したでしょうか。ロング要員だった中村稔弥は後半戦あまり1軍に呼ばれませんでしたし、9月くらいの小野の20連休くらいは例年ならありえないでしょう。

キャッチャー2人体制は良くなかった

後半戦の一時期試したキャッチャー2人体制。田村の状態が良くなかったという側面はありますが、予想に反してキャッチャー2人体制は良くなかったです。いくら9回までとはいえ誰もキャッチャーがいない状況を避けるべくリスク管理は必要ですし、その結果キャッチャー2人しかいないから代打を出せない場面もありました。空いた1枠で俊足の小川を入れましたが有効に使えませんでしたし。

個人タイトルには多少影響があったでしょうか。投手成績に関しては1人化け物がいたので参考外ですが、本塁打王や打点王の数字は2019年以前と比べるとやや下がり、特に打点王が100打点切るのは久しぶりです(120試合の昨年ですら打点王は108打点)。一番低水準だったのは盗塁王で、24個での盗塁王は過去最低レベルです。まあこれもどこまで影響があったかわかりませんが。ちなみに今シーズン打席数トップは荻野の643打席でNPBの過去の記録は以下の通り。
1位 西岡 剛  (ロッテ) 692打席 (2010) 144試合
2位 赤星 憲広 (阪 神) 689打席 (2005) 145試合
3位 石井 琢朗 (横 浜) 688打席 (2005) 146試合
4位 山田 哲人 (ヤクルト) 685打席 (2014) 143試合
4位 秋山 翔吾 (西 武) 685打席 (2018) 143試合
1番で全試合スタメンだった荻野ですら40~50打席くらい少ないので、個人成績には延長戦なしの影響はあったと思います。

以上です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。
この延長戦なし9回打ち切りについては別の話題も考えていますのでまたどこかで発表します。

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