昨日の小野から考える、「継投ミス」とは何か

Twitterとか見ていると昨日の6回の小野への継投を「継投ミス」と考えている人が多いみたいですね。
まあ結局あそこで負けたわけですし、その気持ちはわかります。

小野が悪い。ただ小野だけが悪い? 小野が悪い。ただ小野だけが悪い?

私も昨日の小野にはちょっとがっかりでした。
ただそれはあくまで「継投失敗」ではあるけれど「継投ミス」だったとは思いません。
そこで昨日の6回の継投について考えてみたいと思います。

継投ミスとは?

まずこの記事で使う言葉の定義をはっきりさせます。

継投ミス…適切な場面で適切な継投が出来なかった。
継投失敗…継投をしたが結果が伴わなかった。

益田を例に出すと、10点負けている展開で益田を登板させ無失点に抑えた場合、結果は良いので「継投失敗」にはなりませんが適切な投手起用とは言えずこれは「継投ミス」でしょう。
逆にセーブシチュエーションで益田を登板させたが逆転されてしまった場合、益田は抑えなので「継投ミス」にはなりませんが結果が伴わなかったのでこれは「継投失敗」といえます。
もちろん前の投手の状況、残り投手の状況、相手打者、イニングや試合展開、その試合の位置づけとかで常に何が「適切」かは変化しますが、とりあえず定義はこうします。

これが私の中での言葉の定義であり、結果が伴わなかった ≠ 継投ミス であるのというのが私の考えです。
もちろん「
継投ミス」は「継投失敗」に結びつくことがほとんどですが。

大前提が2つ

そして昨日の継投を考えるにあたり、①吉井コーチのリリーフ投手の運用をどう評価しているか、②小野をどう評価しているか、の2点を明確にしておく必要があると思います。

①吉井コーチのリリーフ陣の運用については、私は概ね満足しています
まず吉井コーチのブルペン運用の基本方針は以下の3つだと思っています。(短期決戦は除く)

・役割を明確にする。(勝ちパターン、ビハインドの展開、ロングリリーフなど)
・1イニングを一人で投げ抜く。
・3連投は回避する。

つまりこれは「なるべくケガを回避して1年間戦い抜くこと」を目標にしているはずです。
これだと目の前の試合に勝つために最善を尽くすことには必ずしもならないかもしれませんが、1年間を戦い抜くという観点からは理にかなっていると思います。
もちろんスポーツである以上これでもケガ人を0にすることは不可能ですが、投手を湯水のように起用することが良いとは到底思いませんので。

次に②小野をどう評価しているか。
私は小野を近い将来勝ちパターンや抑えを担うようなリリーフ投手になってほしいと考えています。
やはり150キロ以上のストレートは大きな武器ですし、教えてできるものではありませんので素材としては非常に魅力的です。
ただ課題はメンタル面にありそうで、ビハインドの展開だといいピッチングができるのに、勝ち試合などのいい場面だと急に本来の力が出なくなります。
24歳ですがプロ7年目ですしそろそろ一本立ちして欲しいところ。
素材としての評価とは裏腹に、今シーズンももどかしいピッチングが続いています。

果たして「継投ミス」と言えるのか

そしてこれらの前提を踏まえつつ、昨日の試合展開を考えながら継投の是非について考えます。
まず事実として5回表終了時点では1点ビハインドであり、5回裏に山口のホームランで逆転しました。
さらには朗希の5回で交代も確定事項だったでしょう。

そしてなぜ6回に普段の靖洋ではなく小野を起用したかのか、ここからは私の想像ですが、
・5回表終了段階で小野は準備を始め、逆転した段階ではある程度準備が終わっていた。
・前半戦一度ケガで離脱した田中靖洋は連投させたくなかった。
・13日登板内容も良かったので、小野への期待感と靖洋の連投リスクを天秤にかけた結果、準備が済んでいる小野をそのまま行かせた、という継投だったと思います。

昨日の試合を勝つことがだけが目標だったら間違いなく靖洋の連投が正解だと思いますが、後半戦はまだ57試合も残っていますし、さらには来シーズンもその次のシーズンもプロ野球はあります。
つまり連投回避による「なるべくケガのリスクを減らす選手起用」で、準備ができている「将来のリリーフ陣の柱になることを期待する小野」を勝ち試合の6回で起用したのですから、私の立場からしたら適切な投手起用と言えますし、私はこれを「継投ミス」とは言わないと思います。
成功したら「靖洋の温存」と「小野の経験」という2つを同時に得られますし、部の悪い賭けでないはずです。

ご存じの通り小野の乱調でしたし、結局連投で靖洋が出てきてしまったので結果は最悪。
私も正直小野にはがっかりしたことは間違いないです。
ただこれは「継投失敗」しただけで、あの状況で小野を起用したこと自体は妥当だったと考えています。

前提が違えば結論も違う

もちろんこれは私の一意見ですので、吉井コーチの投手起用を評価していない人や小野のことを評価していない人にとっては、前提が違いますので結論も違うはずです。
なのであれが「継投ミス」と判断する人がいても良いとは思います。
昨日に関しては小野が悪いとは思いますし、私も今後小野の評価が下がることは十分ありますし。
あくまで現段階で吉井コーチの投手起用を評価し小野にも期待している私の結論ですので。

もちろん目の前の1勝は大切です。
ただ目の前の1勝と同じように、1ヶ月後の1勝、1年後の1勝、3年後の1勝も大切なはず。
ケガを防ぎつつも年齢的にも故障が増えてきた靖洋がいつまでも元気とは限りませんし、若い世代の選手を起用して育てるという視点も必要でしょう。(これが必ずしも小野である必要はありませんが。)
勝利と育成の両立は難しいですが、それを欲張って同時にやったっていいじゃないですか。
選手を使いながら育てる、そんな青臭い理想論は嫌いじゃないですし、プロ野球はそうであって欲しいです。

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