元千葉ロッテマリーンズ社長の山室晋也氏の「経営の正解はすべて社員が知っている」を読んで

球団創立初の黒字化への道

2019年に千葉ロッテマリーンズ球団社長を退任し現清水エスパルス社長の山室晋也氏の書籍、「経営の正解はすべて社員が知っている」を読みました。
ファンとしては普段なかなか情報が出ない球団経営について自身の体験をもとに触れられており非常に面白かったです。
山室氏の功績といえば何と言っても2018年に達成した千葉ロッテマリーンズの球団創立以来初の黒字化。
それまで親会社の支援に依存していた球団経営を大きく変えました。
さらには就任6年間で売り上げが1.8倍、球団創立以来最多の観客動員数の記録など数多くの業績があります。

本書籍の前半部分の多くは山室氏の銀行員時代の話が中心です。
自らのことを「ダメ銀行員」と称した山室氏。
しかし新入社員時代の苦悩から支店長としてのマネンジメントについての考えなど、この部分だけでもビジネスパーソンには参考になる話は多いと思います。

個人的に面白かったのは山室氏の転機となったのは千葉ロッテマリーンズの社長就任の経緯。
関連会社の社長に就任したものの物足りなさを感じていた山室氏が、「もう一度自分の実力で勝負したい、報酬が下がってもいい、火中の栗を拾うような仕事でもいい、とにかくエキサイティングな仕事がしたい」と紹介されたのが千葉ロッテマリーンズの社長の仕事。
そんな覚悟の山室氏をもってしても、「まさか本当に火中の栗をどうぞと紹介してくる人が現れるなんて思ってもみなかった」と振り返っています。
ほんと当時のマリーンズの経営状態はひどかったようですね。

本書籍のなかで球団の経営改革手段は数多く触れられていますが、個人的に一番刺激的だったのは新規ファンの獲得の話。
その年の新人入団会見で必ず触れられるのは「熱いファン」で確かにマリーンズを象徴するものだと思います。
しかし山室氏の就任以前の球団は古参の「熱いファン」に甘えて新規ファンの獲得には積極的ではなかったようです。

古参のファンを大事にするあまり新規ファン獲得に二の足を踏んでいた球団職員のマインドを、新規ファンを獲得しようという山室氏の熱意が変えていくプロセスは読んでいて面白かったですし、近年のマリーンズのマリーンズの企画は新規のファンも古参のファンも楽しませてくれるのもだと思います。

その他にも球団経営改革としてマリンフェスタをはじめとしたファンサービスやグッズ販売、選手を巻き込んでの球団スポンサー獲得への努力、スター選手を発掘し育成するというドラフト戦略など近年のマリーンズが仕掛けてきた数多くの企画、戦略について触れられています。
山室氏をはじめ球団職員の努力によってマリーンズ戦は素晴らしいエンターテイメントになったと思います。
退任した1年以上経過しましたが、山室イズムは現球団にも脈々と受け継がれていると思います。

マリーンズのファンであるなら是非一読を!

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